この記事の要点
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは2026年3月18日、S&P500インデックスをTrade[XYZ](トレードXYZ)にライセンス供与し、分散型取引所Hyperliquid(ハイパーリキッド)上でS&P500の無期限先物契約を提供すると発表しました。
同社はこの製品をオンチェーン市場における初の公式ライセンス製品と位置づけており、指数提供会社が分散型デリバティブ市場に直接関与する前例のない動きとして、業界内で注目を集めています。
同契約では満期日なしに24時間S&P500のロングまたはショートポジションを取ることが可能で、従来の証券取引所では対応できなかった時間外を問わず連続してレバレッジ取引を行える構成となっています。
Trade[XYZ]は2025年10月以降のオンチェーン出来高が1,000億ドル(約15.9兆円)超に達したと明らかにしており、今回のライセンス取得はその実績を背景に伝統的な金融指標へと対象資産を拡張する動きとして位置づけられています。
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トークン化資産市場は急速に拡大しています。RWA.xyzのデータによると、オンチェーン上のトークン化株式などの総価値は2025年初頭の約3億ドル(約450億円)から約10億9,000万ドル(約1,635億円)へと増加しており、伝統的な金融商品のブロックチェーン移行が進んでいます。
こうした流れを背景に、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスはオンチェーン分野への関与を段階的に強めてきました。2025年7月には分散型金融インフラのCentrifuge(セントリフュージュ)と連携し、S&P500をブロックチェーン上で扱う取り組みに関与しています。
今回の発表はその延長線上に位置づけられ、公式インデックスデータを直接オンチェーン市場に提供する仕組みが整ったことで、伝統的な金融指標の活用範囲がさらに広がる形となりました。
また、Hyperliquid(ハイパーリキッド)のようなパーペチュアル(無期限)取引に強みを持つプラットフォームにS&P500が組み込まれたことで、デリバティブ市場の対象資産は仮想通貨(暗号資産)から伝統的な金融指標へと拡張されています。
今回の仕組みにより、従来の証券取引所の営業時間に制約されていた株価指数取引に変化が生じています。適格非米国居住者は満期日なしで24時間S&P500のレバレッジポジションを取ることが可能となり、時間外の相場変動にも即座に対応できる環境が整いました。
さらに、取引はHyperliquid上で完結するため、中央集権型の取引所を介さずにポジション管理が行える点も特徴とされています。
同様の動きは他の主要プラットフォームにも広がっています。Binance(バイナンス)はコモディティ連動のパーペチュアル契約を導入し、Kraken(クラーケン)やCoinbase(コインベース)も株式や暗号資産の24時間取引拡張に取り組んでいます。
こうした各社の動きが加速する中で、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによる公式ライセンス付与は、指数提供企業がオンチェーンデリバティブ市場に直接関与した初の事例として位置づけられています。
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トークン化株式の市場規模は2025年初頭から年内に3倍超に拡大しており、複数の金融大手がオンチェーン金融商品の拡充を急いでいる状況が続いています。
S&P500のパーペチュアル先物が公式ライセンスのもとオンチェーンで提供される今回の動きは、指数提供会社と分散型デリバティブ市場の関係が新たな局面に入ったことを示しており、今後の類似ライセンス案件の広がりに関心が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.80 円)
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Source:S&P Global発表
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