この記事の要点
まずはステーブルコインを詳しく
2026年3月13日、日本の大手証券会社みずほ証券が、ステーブルコイン発行企業Circle(サークル)社の株式目標株価を100ドルから120ドルへ引き上げたことが明らかになりました。
同社は引き上げの理由として、サークルが発行するUSDコイン(USDC)の調整後年初来取引量が、テザー社のUSDTを2019年以来初めて上回った点を挙げています。
リサーチノートによると、USDCの年初来調整後取引量は約2.2兆ドル(約350兆円)に達し、USDTの約1.3兆ドル(約210兆円)を上回りました。これにより、USDCが取引量ベースで約64%のシェアを占め、7年ぶりの逆転となりました。
一方、時価総額ではUSDTが依然として約1,840億ドル(約29.4兆円)と首位を維持しており、USDCの約790億ドル(約12.6兆円)を大きく上回っています。
みずほ証券のアナリストは「ステーブルコイン市場における”勝者”は時価総額ではなく、日常的な取引で実際に使われる通貨になる」と指摘しており、今回の取引量逆転はその競争における評価軸の変化を示す可能性があると述べています。
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USDTは2019年以降、取引量でUSDコインを一貫して上回り、ステーブルコイン市場における事実上の標準として機能してきました。
時価総額においても長年にわたりUSDコインを圧倒しており、記事執筆時点でも約1,840億ドルと約790億ドルのUSDコインを大幅に超えています。
こうした状況のなか、みずほ証券は3月13日付のリサーチノートで、調整後の年初来取引量という指標においてUSDコインがUSDTを逆転したと報告しました。
同社は「USDTに対するUSDコインの取引量比率は64%のシェアを示しており、2019年から2025年まで続いたUSDT優位のトレンドが逆転した」と述べています。
この取引量逆転の背景として、サークルの規制準拠路線を挙げています。サークルは2025年6月にNYSEへの新規株式公開(IPO)を果たしており、米国の制度的な枠組みのもとで事業を拡大してきました。
米国発の規制準拠型ステーブルコインとして機関投資家や企業利用での採用が広がったことが、取引量増加の背景にあるとみずほ証券は説明しています。
みずほ証券のアナリストは「ステーブルコイン市場において最終的に優位に立つのは時価総額が大きい通貨ではなく、日常的な決済や取引で実際に使われる通貨だ」と述べており、今回の取引量逆転がその競争における転換点になり得るとの見方を示しています。
同社はこうした評価を根拠に、サークル株の目標株価を100ドルから120ドルへと20%引き上げており、今後のUSDコインの取引量推移が市場の本格的な反応を左右するとしています。
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ステーブルコインをめぐる動きは市場だけでなく、制度面でも相次いでいます。
2026年には全米初となるステーブルコイン規制法がフロリダ州議会で可決され、知事の署名を経て正式発効する手続きが進められました。州レベルでの規制整備が先行するなか、連邦レベルでの立法整備は遅れている状況です。
こうした制度整備の動きと並行して、実利用の場面でもステーブルコインの存在感は着実に広がっています。
その一例として、米大手保険ブローカーのエーオン(Aon)が主要ブローカーとして初めてステーブルコインによる保険料決済を実現したと報じられており、金融インフラへの浸透が続いています。
制度整備と実利用の両面でステーブルコインへの関心が高まるなか、みずほ証券は今回の取引量逆転について、USDコインが規制準拠型ステーブルコインとして機関投資家や企業での採用を着実に拡大してきた結果だと分析しています。
今後、取引量の推移とともにUSDCの市場シェアがどこまで拡大するのか、その動向が注目されています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.74 円)
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Source:みずほ証券レポート
サムネイル:AIによる生成画像


