米証券取引所Nasdaq(ナスダック)は、主力株価指数であるナスダック100指数に連動した二者択一型(バイナリー)オプションを上場するため、米証券取引委員会(SEC)に申請を行った。ウォール街で広がる「予測市場」型取引への本格参入となる。
提出書類によれば、新商品は「Outcome Related Options(結果に関連するオプション)」と呼ばれ、ナスダック100指数およびそのマイクロ版指数に連動する。価格は0.01ドルから1ドルの範囲で取引され、市場参加者の見通しに応じてレンジの両端に近づく仕組みだ。
イエスかノーかの単純構造
バイナリーオプションは、特定の条件が満たされるかどうかを予測する単純な構造を持つ。条件が達成されれば1ドルで決済され、外れれば無価値で失効する。ナスダックの提案も同様に、指数の方向性などを巡る「イエスかノーか」の短期的見通しを表現できる商品となる見込みだ。
これは、Polymarket(ポリマーケット)やKalshi(カルシ)といった予測市場プラットフォームの契約形式と類似している。これらのプラットフォームでは、選挙結果や経済指標など実世界の出来事に関する契約が取引されている。
規制上の位置付け
予測市場の多くは米商品先物取引委員会(CFTC)の監督下にある。一方、ナスダックが提案するバイナリーオプションは証券オプションとして扱われ、SECの管轄下に置かれる点が特徴だ。
SECのポール・アトキンス委員長は今月初め、予測市場を「大きな論点」と表現し、SECとCFTCの管轄重複の可能性にも言及している。規制当局の関心が高まる中での申請となった。
予測市場への関心は急速に拡大している。カルシとポリマーケットの月間取引高は2月に約184億ドル(約2兆8500億円、1ドル=155円換算)に達し、6カ月連続で過去最高を更新した。1月の約170億ドルを上回る水準だ。
こうしたトレンドを受け、他の取引所も動きを見せている。Cboe Global Markets(Cboeグローバル・マーケッツ)は、金融指標に連動する「オール・オア・ナッシング」型バイナリーオプションの復活を検討中だ。
暗号資産分野でも同様の流れがある。Coinbase(コインベース)は政治や経済、文化的イベントに連動する予測市場を開始。Gemini(ジェミナイ)は昨年12月、CFTCから指定契約市場(DCM)の承認を受け、米国内で規制下の予測市場商品を提供できる体制を整えた。
伝統的金融と予測メカニズムの融合
ナスダックの申請は、伝統的な証券市場が予測市場型フォーマットを取り入れようとする動きを象徴する。指数連動型の二者択一オプションは、短期的な方向感をシンプルな価格シグナルに変換する商品となる可能性がある。承認されれば、ナスダック100指数のパフォーマンスに対する見方を、より直感的かつ確率ベースで表現する新たな取引手段が生まれることになる。
|文・編集:Shoko Galaviz
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