2月6日の米株式市場でダウ工業株30種平均が史上初めて5万ドル台に乗せる大幅反発を見せたことで、暗号資産市場も反発した。今週急落していたビットコイン価格は6万ドル近辺から7万ドル台へ回復し、投資家のリスク回避姿勢が一時的に後退した。人工知能関連の設備投資拡大期待から半導体株が急騰したことで、暗号資産を含むリスク資産全般に買い戻しの動きが見られた。
今週急落していた暗号資産市場は6日、米株式市場の大幅反発を受けて顕著な回復を見せた。代表的な仮想通貨であるビットコインの価格は、米東部時間5日夜の6万ドル近辺から6日には7万ドル前後まで持ち直した。暗号資産相場の急落が今週の投資家のリスク回避姿勢を強める要因の一つとなっていたが、株式市場の反転とともに売り圧力が緩和された。
恐怖指数とも呼ばれる米国株の変動性指数(VIX)は前日の21台から17台に低下し、不安心理が高まった状態とされる20を下回った。この投資家心理の改善が、暗号資産市場への資金回帰を後押しした形だ。ただし、CoinMarketCapの暗号資産恐怖指数は本稿執筆時点で8にとどまり、変わらず「極度の恐怖」を示している。
6日のダウ工業株30種平均は前日比1206ドル95セント高の5万0115ドル67セントと大幅反発し、4週間ぶりに最高値を更新した。週間では1200ドルあまり上昇し、上げ幅は昨年11月下旬以来の大きさとなった。この株高を牽引したのは半導体関連株だ。エヌビディアは8%近く上昇し、ブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、ラムリサーチなどの上昇も目立った。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は5%超上昇した。
半導体株の急騰の背景には、アマゾン・ドット・コムやアルファベットが前日までに設備投資を大幅に積み増す計画を明らかにしたことがある。人工知能関連のインフラ投資が拡大することで、半導体や半導体製造装置の需要が拡大するとの見方が市場で意識された。この動きは暗号資産市場にも好材料として波及した。ブロックチェーン技術やマイニング関連企業の多くが半導体需要の恩恵を受ける立場にあるためだ。
7日の本稿執筆現在、ビットコインは7万1469ドルで取引され、24時間で7.81%上昇した。イーサリアムも急回復を見せており、2100ドル台で24時間の上昇率は7.29%に達した。ビットコインとイーサリアム以外の主要アルトコインも軒並み反発している。
時価総額5位のリップル(XRP)は24時間で16.9%上昇し、1.50ドル台で取引されている。7位のソラナ(SOL)も10.32%高の88ドルとなった。このほか、ドージコイン(DOGE)が9.28%高、カルダノ(ADA)が9.42%高と、主要銘柄全般に買い戻しの動きが広がった。これらの上昇率は7日間ベースではさらに顕著で、イーサリアムが22.51%、ソラナが24.59%、リップルが13.72%とそれぞれ大幅な上昇を記録している。
米経済指標の改善も投資家心理の好転につながった。ミシガン大学が6日に公表した2月の米消費者態度指数(速報値)は57.3と市場予想(55.0)を上回り、1年先の予想インフレ率は3.5%と前月(4.0%)から低下した。
5日発表の雇用関連指標が失業増などを示したことで労働市場の先行き不透明感が再燃していたが、過度の景気懸念が薄れるとともに、米連邦準備理事会(FRB)が利下げをしやすい環境にあると受け止められた。
金融緩和期待の高まりは、金利を生まない資産である暗号資産にとって追い風となる。ナスダック総合株価指数も4営業日ぶりに反発し、前日比490.627ポイント(2.17%)高の2万3031.213で終えた。テスラやビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズなどハイテク株の上昇が目立ち、リスク資産全般への投資意欲が回復した。暗号資産市場は引き続き伝統的な金融市場との相関性を維持しており、株式市場の動向が価格形成に大きな影響を与える構造が鮮明となっている。

