ステーブルコイン最大手のTether(テザー)は、米国を代表する規制準拠型デジタル資産プラットフォームであるAnchorage Digital(アンカレッジ・デジタル)に対し、1億ドル(約157億円、1ドル=157円換算)の戦略的投資を行ったと発表した。

今回の投資は、両社の既存関係をさらに深化させるものであり、デジタル資産が次の成長段階へ進むために不可欠な「安全で規制に即したインフラ構築」を共通の軸としている。

米国初の連邦規制デジタル資産銀行という存在

Anchorage Digital Bank N.A.(アンカレッジ・デジタル・バンク)は、米国初の連邦規制を受けるデジタル資産銀行として、機関投資家やイノベーター向けに幅広いサービスを提供している。具体的には、カストディ(保管)、ステーキング、ガバナンス、決済、そしてステーブルコインの発行といった、デジタル資産エコシステムの中核を担う機能を網羅している。

テザー社は、デジタル資産が既存の金融システムに統合されていく過程において、アンカレッジ・デジタルが極めて重要な役割を果たしていると評価しており、今回の投資はその認識を明確に示すものとなった。

Tetherの視点:規模拡大の次に求められるもの

テザー社はこれまで、世界最大規模のステーブルコイン発行体として急速な成長を遂げてきた。その一方で、同社は近年、「いかにデジタル資産が既存の法制度・規制環境の中で機能できるか」という点に強い関心を寄せている。

今回のプレスリリースでは、テザー社が透明性、監督、長期的な市場の健全性を重視する規制された金融機関との協業を積極的に進めていることが強調されている。アンカレッジ・デジタルへの出資は、まさにこの方針を体現するものだ。

注目すべき点として、テザー社はすでにアンカレッジ・デジタル・バンクの銀行・コンプライアンス・カストディ基盤を実際に利用した経験を持っている。具体的には、アンカレッジ・デジタルが発行主体となる米国向けステーブルコイン「USAT」を通じて、規制下での運用を実地で検証してきた。

この「現場での運用経験」こそが、テザー社にとってアンカレッジ・デジタルのプラットフォームに対する信頼を確かなものとし、今回の戦略的エクイティ投資へとつながったと説明されている。

テザー社のCEOであるPaolo Ardoino(パオロ・アルドイノ)氏は、今回の投資について、「テザーは現状に挑戦し、自由のためのグローバルなインフラを構築する存在である。今回の投資は、安全で透明性が高く、強靭な金融システムの重要性に対する共通の信念を反映している」と述べている。

一方、アンカレッジ・デジタルの共同創業者兼CEOであるNathan McCauley(ネイサン・マコーリー)氏は、「デジタル資産は、安全で規制された基盤の上でしか本格的にスケールしない。その信念を共有する同盟が、さらなる勢いをもたらす」とコメントし、この出資を長年かけて構築してきた規制準拠型インフラへの評価と受け止めている。

|文・編集:Shoko Galaviz
|画像:Shutterstock

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