Galaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)のリサーチ責任者、Alex Thorn(アレックス・ソーン)氏はXへの投稿で、ビットコイン(BTC)への長期的な強気姿勢を堅持し、2027年末までに25万ドルに達するとの予測を示した。しかし、同氏は同時に、直近の2026年に関しては極めて不透明で「予測困難な混沌とした年」になると警鐘を鳴らしている。
2026年は「予測不能」な価格変動に警戒
ソーン氏は、2026年のビットコイン市場はマクロ経済リスクと市場固有のリスクが交錯するとしている。マクロ経済リスクとしては、AI分野への資本支出の動向、金融政策の行方、および11月のアメリカ中間選挙による政治的リスクを挙げている。暗号資産市場のリスクとしては、ビットコインが10万ドル〜10万5000ドルの節目を明確に上抜けない限り、短期的には下落リスクが残るという。
オプション市場のデータもこの不透明さを裏付けている。ソーン氏によると、オプショントレーダーは2026年半ばまでに価格が7万ドルまたは13万ドル付近に達する可能性と、年末までに5万ドルまたは25万ドル付近に達する可能性にほぼ同様のオッズを付けており、見解が真っ二つに分かれている状態だ。
「マクロ資産」へと成熟するビットコイン
ギャラクシー・デジタルの最新報告書「26 Crypto, Bitcoin, DeFi, and AI Predictions for 2026」では、ビットコインの性質が従来の「高成長な投機対象」から、株式やゴールド(金)に近い「マクロ資産」へと成熟しつつあるという重要な変化に触れている。
その根拠として、報告書はオプション価格の傾向とボラティリティの低下を挙げる。ビットコインの長期的なボラティリティは低下傾向にあり、デリバティブ市場では価格下落のリスクをヘッジするのに支払われるコストが上昇。これは、機関投資家によるヘッジ戦略が浸透している証拠であり、ビットコインが成熟した金融市場の一部として組み込まれていることを示唆しているという。
ソーン氏は、2026年が一時的な調整局面や混沌とした動きを見せたとしても、機関投資家の参入とドル以外の資産へのヘッジ需要が追い風となり、最終的には25万ドルの大台に向けた上昇トレンドが形成されるとしている。
|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
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