税制改正を軸に調整される暗号資産ETF解禁 2025年12月18日、暗号資産税制の申告分離課税への移行が2028年1月となる見通しとなり、暗号資産ETF(上場投資信託)の国内解禁も同時期に調整されていることが明らかになり […]税制改正を軸に調整される暗号資産ETF解禁 2025年12月18日、暗号資産税制の申告分離課税への移行が2028年1月となる見通しとなり、暗号資産ETF(上場投資信託)の国内解禁も同時期に調整されていることが明らかになり […]

国内暗号資産ETF「2028年解禁」見通し、申告分離課税も同時施行か=報道

税制改正を軸に調整される暗号資産ETF解禁

2025年12月18日、暗号資産税制の申告分離課税への移行が2028年1月となる見通しとなり、暗号資産ETF(上場投資信託)の国内解禁も同時期に調整されていることが明らかになりました。

CoinDeskは、金融庁の動向に詳しい業界関係者が、当局担当者とのやり取りの中で「税制改正と同時期のETF解禁を考えている」との説明を受けたと伝えています。

暗号資産税制を巡っては、当初、申告分離課税への移行が早ければ2027年中にも実現するとの見方が一部で広がっていました。

しかし、業界内では、制度設計や実務対応に要する期間を考慮すると、申告分離課税の本格施行時期は2028年1月になるとの認識が広がっているといいます。

報道によれば、同関係者は、ETFのみが先行解禁された場合、現物取引は雑所得・総合課税のままとなり最大55%の税負担が残る一方、ETFに税率20%が適用される点を指摘しています。

これらの税制面の不均衡を避けるため、暗号資産ETFについても税制改正と同時期に解禁する方針を金融庁が重視していると報じられています。

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暗号資産ETF解禁に影響する税制と市場構造の変化

ETF先行解禁が現物市場に与える影響

税制改正とETF解禁を同時期に調整する背景として、業界関係者は、暗号資産ETFのみが先行して解禁された場合、税制面での優位性を背景に資金がETFへ集中し、現物取引を行う意義が失われかねないと指摘していると報じられています。

こうした懸念の背景には、海外市場、特に米国における暗号資産ETFの急速な拡大があります。

米国では2024年1月のビットコインETF承認以降、BlackRock(ブラックロック)関連ETFだけで割当額は1,000億ドル(約15.5兆円)規模に達し、ビットコイン総供給量の3%以上を保有するまでに拡大しています。

このような状況の下、国内の体制が整わないまま海外ETFのみが購入可能となれば、日本の投資家資金が海外市場へ流出し、実質的な円売り圧力につながる可能性があると関係者は指摘しています。

規制環境下で進む暗号資産ETF準備

こうした資金流出への懸念を踏まえ、金融庁が内外同時解禁を重視する姿勢は、具体的な実務対応にも表れています。

金融庁は2025年10月、海外暗号資産ETFを原資産とするデリバティブ商品の国内提供について「望ましくない」との見解を示し、これを受けてIG証券は11月、ブラックロックETFを参照するCFDの取り扱いを終了しました。

その一方で、当局が慎重な姿勢を示す規制環境下においても、国内事業者の準備は進んでいます。

SBIホールディングスは2025年7月の決算説明会において、ビットコイン(BTC)やエックスアールピー(XRP)を組み入れた暗号資産ETFの組成計画を公表し、当局の認可が得られ次第、推進する方針を示しています。

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税制改正・ETF解禁の遅れに向けられる不満の声

新制度の施行が2年以上も先になる見通しが明らかになり、金融庁・政府による対応の遅さに対する失望の声も見られています。

批判の背景には、金融庁が暗号資産を金融商品取引法の規制対象に位置づける法改正を進め、税制改正と並行して制度整備を進めているものの、その進行速度が解禁時期の後ろ倒しにつながっているとの受け止めがあります。

制度設計そのものに対する懸念も強まっており、11月の金融審議会WGでは「重厚すぎる」「業界が存続できない」との意見が示され、制度の簡素化や実効性を求める声が上がりました。

CoinDeskによると、こうした制度設計を巡る懸念に対し、政府内からも「投資家保護を重視する姿勢は理解できるが、過度な慎重さが時間を要している」との指摘があり、2028年という解禁時期を「手遅れになりかねない」とみる見方が示されています。

一連の議論が足踏み状態で続く中、米国では暗号資産ETFが主要な投資商品の一角を占めるまでに成長しており、日本の制度対応の遅れを懸念する指摘も見られます。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.53 円)

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Source:CoinDesk報道
サムネイル:AIによる生成画像

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